『 恐怖と欲望』は、 1953 年に米国で公開された映画作品である。
スタンリー・キューブリック監督の劇場用映画第一作は、一般には『非情の罠』が知られているが、そのひとつ前が本作「恐怖と欲望」である。
本作は、わずかなキャストとスタッフそして低予算で製作された。公開時は批評家などから好評を得るが、完璧主義者として知られるキューブリック本人が本作を「アマチュアの仕事」と断じ、ブリントのほとんどを買占め封印した。それゆえ、キューブリック・ファンの間で「幻の作品」となっていた。
2012 年 3 月に米国ニューヨークのリンカーン・センターにて行われた特集上映の中のブログラムの 1 つとして上映され大きな話題となり、日本では 2013 年 5 月に渋谷のオーディトリウム渋谷で一般公開された。
どこかの国で起こっている戦争。爆撃を受け敵地の森へ墜落した 4 人の兵士たちがいた。
空軍の上官コービー中尉(ケネス・ハープ)、ベテランのマック軍曹(フランク・シルヴェラ)、若い新米のシドニー二等兵(ポール・マザースキー)とフレッチャー(スティーブン・コイト)二等兵。
彼らは森に沿って流れる河を、筏を作り下って脱出することを計画し、その対岸に敵軍のアジトを発見する。マック軍曹は奇襲をかけることを提案するが、コービー中尉に反対される。翌日、地元の女性(ヴァージニア・リース)に姿を見られた 4 人は彼女をベ ルトで木に縛り付け拘束する。女性の見張をしていたシドニー二等兵は女性に欲情し犯そうとするが、彼女は彼を振り払って逃げ出す。敵に知らされることを恐れたシドニー二等兵はとっさに腰につけた拳銃を抜き、彼女を射殺してしまうのだった……。
コービー中尉/将軍 |
ケネス・ハープ |
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マック軍曹 |
フランク・シルヴェラ |
シドニー二等兵 |
ポール・マザースキー |
フレッチャー二等兵 |
スティーブン・コイト |
地元の女性 |
ヴァージニア・リース |
製作・監督・撮影・編集 |
スタンリー・キューブリック |
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共同製作 |
マーティン・パーヴィラー |
脚本 |
ハワード・サックラー |
音楽 |
ジェラルド・フリード |
プロダクション・マネージャー |
ロバート・ダイアークス |
メーキャップ |
チェット・ファビアン |
美術 |
ハーバート・レボヴィッツ |
助監督 |
スティーヴ・ハーン |
台詞監督 |
トーバ・キューブリック |
スタンリー・キューブリック・プロ作品
1953 年 / アメリカ / モノクローム / スタンダード( 1 * 1.37 ) / モノラル / 68 分
アメリカ公開 1953 年 3 月 29 日