Tribute to KUBRICK

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ロリータ

LOLITA

解説

ロリータ』は、スタンリー・キューブリック監督による映画作品である。本編153分。主演ジェームズ・メイソン。原作はウラジーミル・ナボコフの同名小説。日本では1962年に公開された。

社会的に成功をおさめた中年男が、ふとしたきっかけで年端のいかない少女に出会い、一目惚れして、捨てられて自暴自棄になるまでを描いている。過激な映像描写はそれほど登場しない。それでもやはり当時は一大センセーションを巻き起こしたらしく、米国の道徳団体からの攻撃は激しかった。この映画の制作でキューブリックは拠点を米国から英国に移すが、その理由のひとつに、米国の検閲団体の干渉を避けるというのがあった。中年男が年の離れた少女に恋をするという意味のロリータ・コンプレックス(ロリコンと省略することも多い)はここから来ている。原作の同名小説は、今では20世紀の名作小説のひとつに数えられている。

この映画は、初め原作者のナボコフが脚本を書き上げるものの、いざ公開された映画ではナボコフの部分は断片的にしか残っていなかった。しかしナボコフはキューブリックの才能を認め、映画自体も一流だと認めたという。

あらすじ

霧の深い日。作家のクレア・クィルティが、自宅を訪れた作家のハンバート・ハンバートに撃ち殺される。

ハンバートは数年前、フランスのパリから米国に渡った作家で、フランス詩の翻訳で好評を得ていた。夏を過ごそうと田舎町にやってきた彼は、シャーロット夫人の家に下宿する。その際にこの家の娘、ロリータに心を奪われる。そしてシャーロットはハンバートに夢中になる。ロリータとの絆を確保するためにハンバートは夫人と結婚したが、彼の本心を知ったシャーロットは逆上の果てに事故死。そうして義父と娘の奇妙な共同生活が始まった。2人の関係は近所の噂にもなり、知りあったクィルティもロリータに興味を示す。彼女を独占したいという欲にかられたハンバートは、外界とロリータとの関係を遮断したい気持ちになり、自動車旅行に連れ出す。モーテルからモーテル……その内にハンバートは、自分たちを尾行する車の存在に気がつく。ロリータは気づく様子がない。そしてある日、インフルエンザで入院していたロリータが、伯父だと名乗る男に連れ出されてしまう。ロリータの行方は分からない。生死さえも分からない。そんな失念の日々を送るハンバートにある日、ロリータから手紙が来る。

ロリータは鉱山の町の貧しい家で暮らしていた。尋ねたハンバートに事情を説明する。クィルティと恋に落ちたが彼に捨てられ、1年ほど前に今の亭主のディックと結婚した。転勤するにあたり資金が必要なためハンバートに助けを求めた。説得にも応じない彼女を諦めると、亡きシャーロットの遺産と自分の資産を与え、クィルティの家へ車を走らせた(冒頭の殺害場面へ)。

出演者

ハンバート・ハンバート ジェームズ・メイソン
シャーロット・ヘイズ シェリー・ウィンタース
ドロレス・ヘイズ(ロリータ) スー・リオン
クレア・クィルティ ピーター・セラーズ
ジーン・ファーロウ ダイアン・デッカー
ジョン・ファーロウ ジェリー・ストーヴィン
モナ・ファーロウ スザンヌ・ギブス
ディック・シラー ゲイリー・コックレル
ヴィヴィアン・ダークブルーム マリアンヌ・ストーン
医師 セック・リンダー
メリー・ロア(看護婦) ロイス・マックスウェル
ジョージ・スワイン ウィリアム・グリーン
スターチ夫人 シャーリー・ダグラス
ルイーズ イゾベル・ルーカス
病院の受付 マクシーヌ・ホールデン

制作陣

製作 ジェームズ・B・ハリス
監督 スタンリー・キューブリック
原作・脚本 ウラジーミル・ナボコフ
「ロリータ」新潮文庫
"Lolita" by Vladimir Nabokov, NewYork, McGrawhill, 1955
撮影 オズワルド・モリス
アート・ディレクター ウィリアム・アンドリュース
セット装飾 アンドリュー・ロウ
編集 アンソニー・ハーヴェイ
録音 レン・シルトン H・L・バード
ネルソン・リドル“愛のテーマ” 作曲 ボブ・ハリス

映画情報

撮影地 英国ABPCスタジオ
配給 MGM
モノクローム
ワイドスクリーン(1×1.66)
モノラル、153分
米国公開 1962年6月13日
日本公開 1962年9月22日(配給:MGM)
1994年12月23日(配給:日本ヘラルド映画)

MGM提供、セブンアーツ+アンヤ+トランスワールド作品

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ロリータ
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