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『非情の罠』(ひじょうのわな)は、 1955 年に米国で公開された映画作品。現在、日本で見られる中では最古のキューブリック作品である。ちょっとした規模のレンタルビデオ店であれば置かれていて、ワーナーから販売用のソフトも出ている。
1950 年代の米国の都会を舞台にした若者群像劇。キューブリックが当時、私財を投げうったり借金をしながら制作した。構図や光と影の使い方、カメラワークなど、後のキューブリック作品の中で“優れている”と評価される特徴の原点がここにすでに現れている。
前半のボクシングの場面と後半のマネキンが貯蔵された倉庫内での場面。両方とも格闘の舞台となっているが、そこの映像や編集処理が当時絶賛された。また、唐突に登場する、バレリーナがバレエを踊る場面。そこに映る女性は当時のキューブリックの妻だったソボトゥカである。
ファンの間では「キューブリックの習作」という位置づけで認識されていることが多い。また、フランスの映画好きの人の間ではフィルム・ノワール分野の逸品として、度々再上映されているという。
1950 年代の米国、ニューヨーク。
プロボクサーのデイヴィ・ゴートンは最近、成績が不振。中継されたデイヴィの敗戦試合をテレビで見た叔父から故郷に帰るよう電話で勧められる。
その夜眠りにつく頃、アパートの向かいのダンサーの女性グロリアの部屋から叫び声を聞く。窓から見るとホールのオーナー、ヴィンセント・ラバロが行為に及ぼうとしている所だった。駆けつけたゴードンはグロリアを介抱する。彼女は勤め先の上司のヴィンセントにしつこく言い寄られていたのだ。
互いに薄幸な身の上の話をし、打ち解けていく。そして求婚。デイヴィとグロリアは共に、デイヴィの叔父のいるところに帰ろうとする。しかしその矢先にデイヴィの師が殺され、殺人容疑が彼にかかる。ヴィンセントがデイヴィを恨んで、罠に嵌めようとしてやったことだった。
デイヴィは命を狙われ、グロリアは監禁される。マネキンが納められている倉庫内で格闘の末、デイヴィはオーナーを倒す。警察による事情聴取を経て自由の身になったデイヴィとグロリアは駅で再会、愛を再確認すると新天地へ旅立つ。
ヴィンセント・ラパロ |
フランク・シルヴェラ |
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デイヴィ・ゴードン |
ジャミー・スミス |
グロリア・プライス |
アイリーン・ケイン |
アルバート |
ジェリー・ジャレット |
アイリス |
ルース・ソボトゥカ |
ラバロの手下 |
マイク・ダナ フェリス・オーランディ ラルフ・ロバーツ フィル・スティヴンソン |
マネキン工場のオーナー |
スキッピー・アデルマン |
大会出席者 |
デヴィッド・ヴォーガン アレック・ルービン |
製作 |
スタンリー・キューブリック モリス・ブーゼル |
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監督 |
スタンリー・キューブリック |
撮影 |
スタンリー・キューブリック |
編集 |
スタンリー・キューブリック |
ストーリー |
スタンリー・キューブリック |
脚本 |
ハワード・サックラー(ノン・クレジット) |
音楽 |
ジェラルド・フリード |
テーマ曲 "Once" 作曲 |
ノーマン・ギムベル&アーデン・クレア |
プロダクション・マネージャー |
アイラ・マーヴィン |
助監督 |
アーネスト・ヌカネン |
振り付け |
デヴィッド・ヴォーガン |
撮影地 |
米国ニューヨーク市 |
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配給 |
モノクローム、スタンダード( 1 × 1.37 ) モノラル、 67 分 |
米国公開 |
1955 年 9 月 28 日 |
日本公開 |
1960 年 9 月 27 日 (配給:ユナイテッド・アーティスツ、 43 分の短縮版で公開) |
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