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ヴェトナム戦争の真っただ中の時期の米国サウスカロライナ州、合衆国海兵隊新兵訓練基地。そこに、8週間の地獄の特訓を受ける新兵達が入隊してきた。ジョーカー、パイル、カウボーイといった面々。
彼らは早速頭を丸刈りにされ、整列させられて、鬼のような訓練教官ハートマンからウジ虫呼ばわりされ、厳しい訓示を受ける。過酷で厳しい訓練。容赦ないハートマンのしごきは、特にノロマで不器用な太っちょのパイルに集中する。時にパイルの失態が連帯責任となって他の面々にも及び、仲間からも疎外、リンチされる。パイルをかばうジョーカーだが、ついに限界を超えたパイルは卒業前夜、夜のトイレでハートマンを撃ち殺し、自らも銃を加えて死ぬ。
時が過ぎ、新兵達は一人前の海兵隊員としてそれぞれの部隊に配属された。ヴェトナム戦争が終わりに近づいた1968年1月。ジョーカーはダナン基地において報道隊員として比較的のんびり生活を送っていた。だが北ヴェトナム軍の激烈なテト(旧正月)攻勢が始まり、ジョーカーは純真なカメラマンのラフターマンと共に最前線のフエ市に向かう。
そこではタッチダウン軍曹の指揮の下、自らを殺人機械として自負するアニマル・マザーや黒人のエイトボール、クレイジー・アールといった兵隊達が集まっていたが、そこでジョーカーはカウボーイと感動の再会をする。それも束の間、彼らは銃火の渦中に。前線を偵察中、対面の廃ビルに潜む凄腕の的の狙撃兵にやられ、エイトボールやドクが撃たれ、カウボーイも撃ち殺される。
決死の復讐を誓ったアニマル・マザーやジョーカーは廃ビルに侵入、狙撃兵を撃って瀕死の重傷を負わせるが、その正体が、まだあどけない少女兵だと知って唖然とする。「私を撃って」と嘆願する少女兵に、ジョーカーはとどめを刺す。
夕焼けの戦場。兵士達はミッキー・マウス・クラブ・マーチを唱和しながら前進を続ける。ジョーカーのセリフが重なる。
「俺達はまだこのクソ地獄にいる。しかし、生きている。除隊も近いだろう」と。
ジョーカー |
マシュー・モディーン |
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アニマル・マザー |
アダム・ボールドウィン |
ゴマー・パイル |
ヴィンセント・ドノフリオ |
ハートマン教官 |
リー・アーメイ |
エイトボール |
ドリアン・ヘアウッド |
カウボーイ |
アーリス・ハワード |
ラフターマン |
ケヴィン・メジャー・ハワード |
タッチダウン |
エド・オーロス |
ロック・ハート |
ジョン・テリー |
クレイジー・アール |
キエロン・ジェッチーニ |
ペイバック |
カーク・テイラー |
ドク・ジェイ |
ジョン・スタフォード |
ヘリコプターの銃撃手 |
ティム・コルチェリ |
ドンロン |
ゲイリー・ラノン |
ダナンの娼婦 |
パピヨン・スー・スー |
モーターバイクの娼婦 |
リアンヌ・ホン |
ベトナム狙撃兵 |
ニョック・リ |
テレビ記者 |
ピーター・メリル |
製作・監督 |
スタンリー・キューブリック |
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製作総指揮 |
ヤン・ハーラン |
製作補 |
フィリップ・ホップス |
共同製作 |
マイケル・ハー |
脚本 |
スタンリー・キューブリック マイケル・ハー グスタフ・ハスフォード |
原作 |
グスタフ・ハスフォード 「フルメタル・ジャケット」角川文庫 "The Short-timers." by Gustav Hasford, Harper and Row, 1979 |
撮影 |
ダグラス・ミルサム |
プロダクション・デザイン |
アントン・ファースト |
アート・ディレクター |
ロッド・ストラトフォード レス・トムキンス キース・ペイン |
編集 |
マーティン・ハンター |
録音 |
エドワード・タイス |
ダビング・ミキサー |
アンディ・ネルソン マイク・ドウソン |
ワーナー + ホーク・フィルムズ作品
撮影地 |
英国バッシンボーン・ロケーション パインウッド・スタジオ |
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配給 |
ワーナー カラー(ランク) ワイドスクリーン(1×1.66) モノラル、116分 |
米国公開 |
1987年6月26日( MPAA 等級: R ) |
日本公開 |
1988年3月19日(配給:ワーナー) |
ホラー映画としてヒットを記録した前作『シャイニング』から7年の間を置いて発表された、ヴェトナム戦争を題材にした映画。
映画は主に新兵達が「殺人機械」として養成されるまでを描いた前半と、実際に戦地に赴いて戦う様を描く後半とに分かれる。
前半では、アーメイ演じる教官が、様々な言葉を使って新兵を罵る場面が印象に残る。汚い言葉を次から次へと浴びせかけるのだが、そこの部分の言葉を日本語字幕に翻訳したものを更に英訳してキューブリック自ら再点検した時に「言葉の汚さがでていない」と、翻訳家が変更させられたという逸話がある。しかし現在この映画はレンタルビデオなどで R 指定扱いされることもなく、ごく普通に借りられる。
前半の見どころは、太った新兵が、気が狂って教官を撃ち殺すまでにあるといえる。
そして後半は、ヴェトナムの戦地での映像が延々と続く。しかしながら全て英国のスタジオで撮影されたため、ヴェトナムという設定でありながら、信じられないくらい空の色が悪い。そして、戦争映画とは思えないくらい、不自然なほど構図や映像が綺麗で、戦争のむごたらしさなどは、画面からはあまり感じられない。
題名の「フルメタル・ジャケット」の意味については、映画の中で明かされる。
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"Tribute to KUBRICK."
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