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原始時代。生命の危機に瀕した猿人がモノリス(石碑のような黒い物体)により知恵を与えられ、獲物を骨で殴打して殺す。空に放たれる白い骨……
一瞬のうちに宇宙空間に浮かぶ白色の細長い宇宙船へと変わる。
2001年。旅客用宇宙飛行機オリオン号がケープケネディ空港から宇宙ステーションに向かって飛び立った。旅客機の中にはフロイド博士がいた。彼は最近月面で発見された謎の物体について専門技術者、学者達が月の基地で開く会議に出席するのである。約1時間後、第5ステーションに到着した。やがてフロイド博士は月宇宙船エアリーズ号に乗り換え、2日後に月世界に到着。月の基地では謎の物体を巡る議論に花が咲いた。博士は物体をその目で確かめるため、数人の科学者とともに、問題の場所、テイショ火口に行った。
現地では石碑のような物体が発掘され、木星に向かって強烈な電波を発射していた。その事件を調査するため、科学者達は、宇宙船ディスカバリー号で木星へ旅立った。
宇宙船を操縦していたプール飛行士とボウマン船長は、 HAL (ハル:宇宙船を制御するコンピュータ)からのただならぬ注意信号を受信。2時間半後に宇宙船に故障が起こる、というのだ。プール飛行士はスペースポッドに乗り込みアンテナを取り換える。ところが HAL はまたもや次の故障が起こると予言。プール飛行士は再びスペース・ポッドに乗りアンテナ取り換え作業を始めるが、今度は彼自身に事故が。宇宙服の命綱が切れて暗黒の宇宙空間に放り出された。ボウマンは、もう1隻のスペース・ポッドに乗り、プール飛行士を助けに行くが、ややあって HAL が事故の元凶と察する。人口冬眠中の他の乗組員は次々と死んでいく。孤独な戦いの末に HAL を壊し(ユニットを外すことで停止させた)、宇宙の果てへ向かった。
木星……無限の彼方……そしてスター・チャイルドに。
デイヴィッド・ボウマン |
ケア・デュリア |
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フランク・プール |
ゲイリー・ロックウッド |
ヘイウッド・フロイド博士 |
ウィリアム・シルヴェスター |
月を見る者(猿人) |
ダニエル・リクター |
HAL 9000型コンピュータ(ハル) |
ダグラス・レイン(声)の出演 |
スミスロフ |
レオナード・ロシター |
エレナ |
マーガレット・タイザック |
ハルヴォーセン |
ロバート・ビーティ |
マイケルス |
ショーン・サリヴァン |
作戦管制官 |
フランク・ミラー |
プールの父 |
アラン・ギフォード |
スチュワーデス |
ペニー・ブラームス |
フロイド博士の娘 |
ヴィヴィアン・キューブリック |
制作・監督 |
スタンリー・キューブリック |
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ライン・プロデューサー |
ヴィクター・リンドン |
脚本 |
スタンリー・キューブリック アーサー・チャールズ・クラーク |
撮影 |
ジョフリー・アンスワース |
追加撮影 |
ジョン・オルコット ギルバート・テイラー(ノン・クレジット) |
プロダクション・デザイン |
トニー・マスターズ ハリー・レンジ アーニー・アーチャー |
特殊効果考案・監督 |
スタンリー・キューブリック ウォリー・ヴィーヴァース ダグラス・トランブル コン・ペダーソン トム・ハワード |
特殊効果 |
コリン・ J ・キャントウェル フレデリック・マーティン ジョン・ジャック・マリック ブライアン・ロフタス ブラック・ローガン デヴィッド・オズボーン |
編集 |
レイ・ラヴジョイ |
音楽 |
リヒャルト・シュトラウス ♪「美しく青きドナウ」 ヨハン・シュトラウス など |
サウンド監督 |
A ・ W ・ワトキンス |
衣裳 |
ハーディ・エイミス |
科学顧問 |
フレデリック・ I ・オードウェイ III 世 |
原作 |
アーサー・チャールズ・クラーク 「2001年宇宙の旅」ハヤカワ文庫 "2001 : A Space Odyssey" by Arthur Charles Clarke, NewYork, 1968 |
原案 |
アーサー・チャールズ・クラーク 「前哨」 |
MGM 作品
撮影地 |
英国ボアハムウッド ( MGM ・ブリティッシュ・スタジオ) |
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配給 |
米映画 カラー(テクニカラー&メトロカラー) シネラマ (スーパーパーナビジョン、1×2.6〜2.8、35 mm アナモフィック・ワイドスクリーン版は1×2.35) ステレオ(磁気6チャンネル)/152分(序曲、休憩音楽、終曲を含む) |
米国公開 |
1968年4月6日( MPAA 等級: G ) |
日本公開 |
1968年4月11日(配給: MGM ) 1978年10月28日(配給: CIC 、70 mm 版) 1995年2月3日(配給:日本ヘラルド映画、35 mm 版のみ) 2001年4月 (配給:ワーナー・ブラザーズ、スコープ・サイズ[70 mm 再現比率]、デジタル・リミックス・サウンド) |
1968年に日米で劇場公開された SF 超大作。製作期間、予算、物語の規模、撮影技術、科学考証のいずれを取っても、あまたの SF 作品とは、今でも、遥かに桁違いだといっていい。 NASA (米国航空宇宙局)が人類初の月面着陸を果たすのは翌年。日本では安田講堂を舞台にした学生運動(1970年)もまだ起きていない。
キューブリックはクラークの短編 SF 小説「前哨」(宇宙飛行士が惑星探査の途中でピラミッド型の建造物を発見してしまい、未知の文明の存在を確信する話だったような……)を読んで、 SF 映画についての話をもちかけたと言われる。それで完成したのがこの映画で、クラークはキューブリックと一緒に映画についての論議を交わしながら同時進行で映画の原作本を書き上げた。本は映画公開の半年後に出版された。
この映画は、とにかく難解な映画の代表として知られる。
2時間を超過する上映時間の内、セリフが登場するのは始まりから半時間後。具体的にいうと、太古の時代に猿人が放った骨が一瞬にして数百万年後の果てない未来へ飛ぶ(映画史における優れた場面の1つといわれる)、更にその後である。付け加えると、実際に会話のある場面は、全体を足しても、わずか40分のみである。
登場人物よりもコンピュータ HAL がよく喋る。終いには命乞いまでする。映画の謎解き本、解説本も、ゆうに10冊はでているのではないだろうか。長編映画の割に、上に記した通り、セリフの量が多いとは決していえず、代わりに見事な宇宙空間の映像と荘厳なクラシックが延々と鳴り響く。 HAL が壊され、宇宙の果てに到達する辺りからは、特に、見る人の数だけ意見が分かれるといっても過言でないくらいさまざまな意見がある。
本編で登場する宇宙の場面(宇宙船やロケットの構造、宇宙服、ビジネス・スーツ、靴、髪型、通信、会議室、椅子、机、コップ、食事、睡眠、排便、運動、余暇など)の全てに科学的根拠を求めているという。しかもキューブリックの美意識に適ったものでなければならない。見た人の何%が気づくか分からないが、時刻の設定も、地球と連絡の取りやすいワシントン DC と同一に設定されているという。
撮影や編集にコンピュータ技術が使えない時代。宇宙の映像は、手描きのアニメーションで作られたという。 余談だが、実際に宇宙ステーション云々が実現した場合に絶対にありえない、起こりえない映像(要するに撮影、設計のミス)が、宇宙場面の中に数点あるという。
現実には21世紀を迎えた時、世界を駆け巡ったニュースで代表的なのは9月に米国で発生した同時多発テロであり、日本に限っていえば年の暮れの敬宮愛子様ご生誕の吉報だった。そこにあったのはこの映画公開時の60年代から細々と進化を続け、 IT 技術が浸透しながらも根本の営みが変わっていない人間の世界だった。宇宙ステーションもできず、月基地も人工冬眠も HAL のように感情を持った人間臭い人口知能( AI )も、現時点では予測の外れた未来像だ。
しかしながらこの映画は、今でも圧倒的な説得力がある。 SF 史や科学史を語る際には必ず挙げられる。ある意味では SF 界の神話といっていいかもしれない。
その一方で、キューブリック映画史上最も難解で美しく、退屈で意味不明な映画かもしれない。
累計興行成績は、全世界で1億9,070万ドルとなっている(2001年1月現在)。のちに小説と映画両方で、続編が制作されたが、その時にはもうキューブリックの手を離れ別の作品として公開された。
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"Tribute to KUBRICK."
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