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太く短い人生を送ろう……刑務所を出所したジョニー・クレイは競馬場の売上金の強奪を計画した。
ジョニーは警告実行のための仲間として5人の男を引き入れる。軍資金を出すマーヴィン、競馬場の馬券売場の現金係ジョージ(彼の妻シェリーは青年ヴァルと不倫の関係を結んでいる不貞の妻)、競馬場のバーのバーテンダーをするマイク、競馬場の整備を担当する悪徳警官のランディ、そして5人目は元レスラーのコーラ。ジョニーは更に射撃の名手ニッキを囲い込んだ。準備は整った。ジョニーは競馬場近くのモーテルの一室を借りて犯行当日の根城とした。決行の前日、一味は最後の打ち合わせをするが、その話を盗み聞きしたシェリーはヴァルとよからぬ計画を企む。
当日。ジョニーが用意した機関銃はマイクの手で競馬場の更衣室の中へ。いよいよ決行である。まずコーラがバーでに寄り飲み物を注文、マイクが提供するがそれに因縁をつけて暴れだす。彼を押さえようとして投げ飛ばされる警備員。騒ぎが広まり、金庫を見張っていた警官がでてくる。一方、競馬場の外側コースに出たニッキはレース中の馬を一撃で倒した。レースは混乱。だがニッキは居合わせた警官の銃弾に倒れる。競馬場の騒ぎの間に変装したジョニーはジョージの合図で金庫室に入り、職員を機関銃で脅し200万ドルにのぼる紙幣を袋に詰め込ませた。ジョニーはそれを窓から外に投げ下ろし表へ出た。袋は外で待っていたランディが自分のパトロール・カーに積んでモーテルの一室に放り込んだ。
犯行は成功した。
先に戻ったジョージ、マイク、マーヴィン、ランディはあるホテルの一室で金を持って現れるジョニーを待った。と、そこへ現れたのはジョニーではなく機関銃を構えたヴァルである。シェリーとしめし合わせた彼は金を横取り、高飛びしようと踏んだのだ。みんなの持っていた銃が発砲し、重傷のジョージを残して敵も味方も死んでしまう。復讐の鬼と化したジョージは血まみれの体で車に乗りアパートに急いだ。荷造りしていたシェリーがそこにいた。彼女を撃ち殺してジョージは生き絶える。一方のジョニーは、血まみれのジョージが車に乗るのを、ホテルに急ぐ途中に見つけ、危険を察して情婦のフェイの待つ飛行場へ駆けつけ高飛びを謀る。が、ぎっしり紙幣を詰め込んだトランクは運搬車で飛行機へ運ばれる途中に口が開いて一瞬のうちに空中へ散らばる。
その光景を唖然と見つめるジョニーとフェイに、張り込んでいた刑事がやってくる。
ジョニー・クレイ |
スターリング・ヘイドン |
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フェイ |
コリーン・グレイ |
マーヴィン・アンガー |
ジェイ・ C ・フリッペン |
シェリー・ピーティ |
マリー・ウィンザー |
ジョージ・ピーティ |
エライシャ・クック Jr. |
ヴァル・キヤノン |
ヴィンス・エドワーズ |
ランディ・ケナン |
テッド・デ・コルシア |
マイク・オレイリー |
ジョー・ソウヤー |
ニッキ・アラノ |
ティモシー・キャレイ |
モーリス・オブコフ |
コーラ・カワリアン |
レオ |
ジェイ・アドラー |
ティニー |
ジョセフ・ターケル |
駐車場の係員 |
ジェームズ・エドワーズ |
製作 |
ジェームズ・ B ・ハリス |
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共同製作 |
アレグザンダー・シンガー |
監督・脚本 |
スタンリー・キューブリック |
原作 |
ライオネル・ホワイト 「逃走と死と」ハヤカワ・ポケット・ミステリ "Clean Break" by Lionel White |
追加台詞 |
ジム・トンプソン |
撮影 |
ルシアン・バラード |
第2班撮影 |
アレグザンダー・シンガー |
美術 |
ルース・ソボトゥカ |
編集 |
ベティ・スタインバーグ |
録音 |
アール・シュナイダー |
音楽 |
ジェラルド・フリード |
ハリス・キューブリック・プロ作品
撮影地 |
ハリウッド(クリング・スタジオ) サンフランシスコ(ベイ・メドウズ競馬場) |
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配給 |
ユナイテッド・アーティスツ 米映画 モノクローム スタンダード(1×1.37) モノラル、83分 |
米国公開 |
1956年5月20日 |
日本公開 |
1957年12月10日(配給:ユニオン+映配) 1986年3月1日(配給:日本ヘラルド映画) |
ファンの中には、キューブリックの最高作品に挙げる人も少なくないのがこの作品。日本語の題名は「げんきん」ではなく「げんなま」と読む。キューブリックのその後の映画監督としての人生を見ても、この作品が1つの分岐点になっているのが分かる。映画業界の何人かが、この映画を見て、ハリス(制作担当)とキューブリックの才能を認めたからだ。
何人かの男がまとまって、競馬場の現金強奪を発案して実行、しかし些細な失敗が幾つも重なり失敗に終わる。大まかにいえばそんな物語が、非常にテンポよく進行していく。乱闘、拳銃の打ちあい、現金が乱れ飛ぶところなど、見た目にも派手な場面が随所に散らばっている。それぞれの登場人物の個性を活かした演出。上映も約1時間半と、映画として長すぎず短すぎず、エンターテインメントに徹した映画のお手本的作品に仕上がっているといえる。
と、褒めちぎってはみせるが、この映画は全編モノクローム(白黒)だ。もちろん白黒の特性を生かした構図や色彩展開など、見ごたえのある映像の連続ではあるが、どうしてもカラーでないと駄目だとか、何となく古臭い感じがして嫌だという人もいるだろう。だから絶対に面白いですよ、とも断言できない。
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"Tribute to KUBRICK."
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