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現代(年代は明確には特定されていないが、映画の制作と公開は1980年代初頭。原作小説は1970年代に発表)の米国。
作家で妻子持ちのジャック・トランスは、オーバー・ルック・ホテルで支配人と会い、そこに管理人として冬の間に住み込む話を進めていた。
ホテルは人里はなれた山中にあり、冬の期間は雪で閉ざされる。スキー場にするにしても人件費などがかさみ利益がでないということで、閉鎖して管理人を雇うやりかたを経営陣が取っていた。
その頃ジャックの家では、母親ウェンディと食事をしながら息子ダニーが浮かない顔をしていた。友達のいないダニーは、自分の中にトニーというもうひとりの人間を育てており、そのトニーがホテルに行くことに賛成していないのであった……ダニーの中に、幻想ともつかぬ光景がよぎる。エレベーターの扉から滝のように流れでる夥しい量の血と、その前に立ち尽くす双子の少女……
一家3人は大自然の中に建てられたオーバー・ルック・ホテルに到着した。一家3人だけの孤独な生活の始まり。ジャックの脳裏に、支配人が語っていた惨劇がちらつく。ジャックの前任の管理人グレイディ。管理生活のあまりの孤独さに気が狂い、一緒にいた妻も二人の娘も斧で殺し、自分も自殺したということだった。
ホテルが閉鎖される日、黒人の料理人ハロランと二人になった時、ダニーは“シャイニング”(幻視超能力)の話をハロランから聞く。ダニーは237号室のことを尋ねる(ダニー自身が237号室を通った時に恐ろしい空気を感じた)が、ハロランは驚きの表情をみせるだけ。
ジャックは作家という仕事の都合上、静かなホテルの一室で書けることはこの上なく好都合だと踏んでいたが、実際には苛立つばかりで執筆が進まない。そんな様子を見て不安に思うウェンディ。3人の緊張に満ちた不安定な生活が、ある日奇妙な出来事を生む。
237号室に忍び込んだダニーが何者かに傷つけられ、作品を書いたはずのジャックのタイプライターの用紙には All works and no play make Jack a dull boy. が延々と続く印字の後。それを目撃したウェンディにジャックが襲いかかる。必死で逃げるウェンディは窓から外へダニーを逃がす。ウェンディを追うジャックは、ホテルにやってきたハロランに標的を変え、斧で殺す。そしてダニーを見つけると、息子を追い、屋外に拡がる巨大迷路へ。複雑な迷路を使ってジャックの追跡をかわしたダニーは、やがて母と再会、二人はハロランの乗ってきた雪上車に乗り、現場を後にする。
翌日、降り積もった雪の中に、屋敷にとりこまれたジャックの姿があった。
ジャック・トランス |
ジャック・ニコルソン |
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ウェンディ・トランス |
シェリー・デュヴァル |
ダニー・トランス |
ダニー・ロイド |
ハロラン |
スキャットマン・クローザース |
スチュアート・アルマン |
バリー・ネルソン |
デルバート・グレイディ |
フィリップ・ストーン |
ロイド |
ジョー・ターケル |
医師 |
アン・ジャクソン(国際版ではカット) |
ラリー・ダーキン |
トニー・バートン(国際版ではカット) |
浴室の若い女性 |
リア・ベルダム |
浴室の老女 |
ビリー・ギブソン |
双子の少女 |
リサ・バーンズ ルイーズ・バーンズ |
製作・監督 |
スタンリー・キューブリック |
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製作総指揮 |
ヤン・ハーラン |
共同製作 |
プロデューサーズ・サークル・カンパニー (ロバート・フライヤー マーティン・リチャーズ メリー・ジョン) |
脚本 |
スタンリー・キューブリック ダイアン・ジョンソン |
原作 |
スティーヴン・キング 「シャイニング」文春文庫 "The Shining" by Stephen King, NewYork, Doubleday, 1977 |
撮影 |
ジョン・オルコット |
ステディカム・オペレーター |
ギャレット・ブラウン |
プロダクション・デザイン |
ロイ・ウォーカー |
アート・ディレクター |
レス・トムキンス |
編集 |
レイ・ラヴジョイ |
サウンド編集 |
ウィン・ライダース ディノ・ディ・カムポ ジャック・ナイト |
録音 |
アイヴァン・シャーロック リチャード・ダニエル |
ダビング・ミキサー |
ビル・ロウ |
撮影 |
ジョン・オルコット |
プロダクション・デザイン |
ケン・アダム |
アート・ディレクター |
ロイ・ウォーカー |
編集 |
トニー・ローソン |
ワーナー + ホーク・フィルムズ作品
撮影地 |
英国 EMI エルストリー・スタジオ |
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配給 |
ワーナー カラー ワイドスクリーン(1×1.66) モノラル、142分 (国際版119分) |
米国公開 |
1980年5月23日( MPAA 等級: R ) |
日本公開 |
1980年12月13日(配給:ワーナー、国際版で公開) |
前作『バリー・リンドン』の興行的失敗を埋める意味も兼ねて作られた、娯楽に徹した作品。主演俳優に、当時人気を不動のものにしつつあったニコルソン、原作は売れっ子作家のキング、重要な役に子供を配置する辺りなど、エンターテインメントとしての要素を完璧なまでに備えた作品だった。
冬期に豪雪のために閉鎖されるホテルの管理人としてやってくる作家・トランスとその一家。彼らが出合う恐怖を描いた作品だが、題名も大まかな話の筋も同じながら、映画と原作小説が別の趣旨になってしまった作品として有名だ。そして双方が素晴らしい作品であるところも「非常に稀な事例」として知られている。キューブリック(映画の監督者)マニアと、キング(原作小説の作者)マニアの間では今もどちらがいい、悪いの論議が起こるという。原作者のキングは映画にとにかく不満で、後に自らが監督となってリメイクを作っている。私個人の意見では、どちらも素晴らしいと思うが、娯楽性を重視するなら映画版、物語や登場人物の個性、芸術性を買うなら原作小説、といったところだろうか(あくまで私個人の意見です)。
前作での赤字を埋めることも制作の目的だったのにもかかわらず、キューブリックの流儀の1つ、「同じ場面を何度も撮り直す」はここでも当然ながら行われた。
あまり恐くない話、というのが一般的な評価だが、劇場の大画面で見ると、整然としすぎたシンメトリーの映像はどこか不気味だったという意見を見た覚えがある。
現在ビデオや DVD で市販&レンタルされているが、 DVD の場合、特典として、この映画の制作風景(メイキング)が収録されている。映画に出てくる雪が実は本当は××だった、とか、女優のデュヴァルが、後半は泣く場面の連続のために涙が涸れてしまい頬にグリセリンを塗ったとか、コック役のクローザースは本業がミュージシャンであり、この映画で畑違いの仕事をするにあたり NG を繰り返したとか、他にもダニーを演じるロイド少年のませた生意気な素顔など、映画の雰囲気を壊す楽しい裏話が満載だ。キューブリックの両親が映画制作について語る場面もある。そして何より出てくる人の服装や髪型が1980年代風なのである。
ちょっと長い映画だが、原作と比較して観賞するのも面白いかもしれない。
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"Tribute to KUBRICK."
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