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1915年9月の西部戦線。戦闘に疲れ切ったフランス軍の701歩兵連隊は、功労休暇で久しぶりに塹壕を出ていた。
連隊長のダックス大佐は、刑事訴訟の分野で名のしれた弁護士で、本職の軍人でなかったが、軍にあっても立派な軍人であった。後方の師団司令部では、折しも師団長ミロー将軍が、屈強そうな初老の将軍を迎えていた。彼は軍団長のブルーラール大将で、「48時間以内にアント・ヒルを占拠すべし」という、参謀本部の命令を持ってきたのだ。アント・ヒルは要害堅固な小丘で、背後では独軍が総攻撃の最後の態勢を整えていた。どうみてもフランス軍に勝ち目はない。よってこの命令は自殺行為ともいえる内容だったが、昇進をほのめかすブルーラール大将の言葉に、ミロー将軍は命令を承諾した。
命令を伝達されたダックスは激しく抗弁したが、解任をにおわせる言動をミローが取るため、部下を見殺しにするよりはと命令に従うことにした。
攻撃が開始される。しかし見事に失敗し、敗退するほかなかった。ミローはダックスの連隊に後退命令を出し、翌日軍法会議を開くことを決定。連隊は全員逮捕され古城に監禁された。その頃ダックスは、ミローが、自分や司令部の判断の間違いを部下に被せようとしていると知り、激怒した。
結局ミローは第一波の各中隊からひとり、計3人を軍法会議にかけることを決めた。ダックスは3人の弁護に立つことだけを許可される。
軍法会議が始まるまで1時間もなかった。
ダックスは、判決の決定的要素となる証拠品の提出を拒まれたこと、検事側が証人をだしていないことなどを挙げて、この軍法会議そのものが裁判制度に対する侮辱だと鋭く批難したが黙殺され、簡単に有罪が決まってしまう。
間もなくダックスのもとに砲兵隊長のルソー大尉が訪ねてきてアント・ヒル攻撃の時、ミローじきじきに味方を撃てと命令されたことを話す。ダックスはこれをブルーラールに告げる。敗退の責任を誰かに負わせなければならないのなら、何も被告の3人でなくてもミローでよいではないか、と説いた。結果ミローは軍法会議にかけられ、去っていく。
ブルーラールは、ダックスを将官に任じる(昇進を意味する)が、ダックスは拒絶。彼の連隊には、前線復帰の命令が伝えられた。
ダックス大佐 |
カーク・ダグラス |
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パリス伍長 |
ラルフ・ミーカー |
ブルーラール将軍 |
アドルフ・マンジュー |
ミロー将軍 |
ジョージ・マクレディ |
ロジェ中尉 |
ウェイン・モリス |
サントーバン少佐 |
リチャード・アンダーソン |
アーノー2等兵 |
ジョセフ・ターケル |
フェロル2等兵 |
ティモシー・キャレイ |
判事大佐 |
ピーター・キャぺル |
ドイツ人少女 |
スザンヌ・クリスチャン |
ブランジェ軍曹 |
バート・フリード |
司祭 |
エミール・マイヤー |
ルジュン |
ケン・ディブス |
負傷兵 |
フレッド・ベル |
ルソー大尉 |
ジョン・スタイン |
居酒屋の主人 |
ジェリー・ハウスナー |
ニコラス大尉 |
ハロルド・ベネディクト |
製作 |
ジェームズ・ B ・ハリス |
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監督 |
スタンリー・キューブリック |
脚本 |
スタンリー・キューブリック カルダー・ウィリンガム ジム・トンプソン |
原作 |
ハンフリー・コップ 「栄光の小径」 "Paths of Glory" by Humphrey Cobb, New York, Viking.1935 |
撮影 |
ゲオルグ・クラウス |
編集 |
エヴァ・クロール |
美術 |
ルドウィッヒ・ライダー |
衣裳デザイン |
イルス・デュボワ |
録音 |
マーティン・ミューラー |
音楽 |
ジェラルド・フリード |
軍事顧問 |
V ・ウォルデンフェルス男爵 |
ブライナ・プロ作品
撮影地 |
ドイツ、ミュンヘン ガイゼルガシュタイク・スタジオ |
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配給 |
ユナイテッド・アーティスツ モノクローム スタンダード(1×1.37) モノラル、86分 |
米国公開 |
1957年12月25日 |
日本公開 |
1958年2月29日(配給:ユナイテッド・アーティスツ+松竹) |
前作『現金に体を張れ』でキューブリックの才能を認めたダグラスが主演した戦争映画。ダグラスは当時、絶大な人気を誇る俳優だった。
世の中に戦争を題材にした映画はたくさんあり、それぞれが舞台にした戦争は違うことが多いが、この作品は20世紀前半の西部前線を基にしている。
約1時間半の本編の中で、戦場における、どうしようもない人間の営みの不条理が描かれる……ある無能な上司が、誰の目にも無謀と分かる判断を下す。しかもその判断は、その上司が功名を焦ってのものだった。判断は無残に失敗。会議にかけられ、失敗したことの責任が、判断を下した上司でなく、判断を実行した結果「失敗」という事態を招いた下っ端に被せられる。戦場に限らず、いつどこの組織でもありがちな逸話が、この映画では反戦の道具として語られる。
その中でダグラスが演じるのは、ムチャな判断を下した無能な上司に抵抗、批難する役だ。この話の中で一番おいしい役といっていいだろう。当時のファンがこれを劇場で観て、ますます好感度をあげたのは想像に難くない。
映画の最後に、捕虜の女性が軍人が集まった前で独唱する場面がある。歌で兵士たちを黙らせる女性を演じる彼女は、のちにキューブリックの妻となるクリスティアーヌである。
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"Tribute to KUBRICK."
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